一途な社長の溺愛シンデレラ

「お前だから話してる。沙良には、俺の全部を知っていてもらいたいんだ」

 力強い眼差しにどきりとする。

 受け止めきれなくて顔を伏せようとしたら、社長の方が目を逸らした。

「……言えてないことも、まだあるけどな」

 言葉が途切れて、リビングを沈黙が覆っていく。

 ワインを飲んだおかげでイメージはきれいに溶けてなくなり、私の頭の中は真冬の空みたいにクリアな状態だ。

 今なら、と思う。

 自分の気持ちをうまく表現できない私でも、今なら、彼に言いたいことを伝えられるかもしれない。

「ねえ社長」

 グラスを持ったまま、きょとんとした顔で振り返る彼に、私は言う。

「考えたよ、結婚のこと」

「……ああ」

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