一途な社長の溺愛シンデレラ

 二十人ほどが入れそうな会議室の前側にかたまって座っているのは、太陽石鹸の社長を筆頭に営業企画課の面々、販売課の面々、それから常務や専務までいる。

 ずいぶん仰々しいけれど、それだけこの広告にかけているということかもしれない。

「デザート・ローズ制作会社、代表取締役の結城です」

 親子ほども、下手をしたら祖父孫ほども歳が離れていそうな彼らに向かって、社長は少しも躊躇することなくしゃべりはじめた。

 電気を半分消した会議室の白い壁に、映像を映し出す。

「こちらが、今回の新商品の広告案になります」 

 ざわりとスーツの集団がどよめいた。

「なんだ、これは」

 プロジェクターが映し出すイメージに、彼らの顔が一斉に曇る。

「この色は……」

「森林の香りをイメージした色です」

 社長は爽やかに言い切った。

「なにを言っている。これのどこが森林の色だと言うんだ」

 三列目の左から二人目、たしか営業企画課の課長だと名乗っていた眼鏡の男がいきなり立ち上がった。

 彼らの正面に映し出されたイメージは、半分以上が黒く塗りつぶされている。

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