一途な社長の溺愛シンデレラ
太陽石鹸の面々をすっかり自分のペースに巻き込んだまま、社長は制限時間ぴったりに話を終えた。
ひとりずつに笑いかけるように会議室を見渡し、締めくくりの言葉を述べる。
「――以上です。ご清聴いただきありがとうございました」
ノートパソコンの電源をオフにする私と目が合うと、自信たっぷりにうなずいて見せる。どうやら感触がよかったらしい。
確かに、自分の倍も年かさの役員たちを相手に臆することなく話を続けた社長は、オフィスで見る彼よりもずっと堂々としていて、神々しささえ感じられた。
カリスマ性というやつだろうか。
生まれた環境にも関係しているのかもしれないと思った。
社長のもつ華やかさや、挙措の端々から感じられる上品さは、本人が隠そうとしても、あふれ出てしまっている。
私はだぼっとした借り物のジャケットの、指先しか出ない袖を引っ張って、自らの姿を見下ろした。
ふいに寂しさがこみあげて、自分で驚く。
社長と私は、天と地ほども違う。
そんなの、わかっていたことなのに、どうして胸にすきま風が吹くのだろう。
「どうした沙良?撤収するぞ」