今宵、エリート将校とかりそめの契りを
「……嫌か?」

「ち、違……でも」


琴は総士の視線から逃げるように、逆方向に顔を背ける。


「俺の傷を心配しているのか? ならば、気遣いは不要だ」


ふてぶてしく言いのけ、総士は目の前で剥き出しになっている琴の首筋を軽く吸い上げる。


「きゃっ……」


琴が小さな悲鳴を上げて首を縮めると、彼はクスッと笑った。


「片手でも、お前を満足させることはできる。嫌じゃないなら拒むな」

「っ……!!」


いつも涼しげな総士の瞳に情欲の色が滲むのを、琴は初めて見た。
全身がカアッと火照り、首筋まで桃色に染まってしまう。


「背中にお前を感じながら、今まで俺がどれだけ自制していたか。気付かないだろう? 琴」

「そ、そんな。あっ……」


左肘を琴の傍らに突き、間隔を狭めた上で、総士は右肘から上だけを動かした。
琴の胸元の蝶々結びしたリボンを、いとも簡単にスッと引いて解く。
総士の目の前で胸元がはだけられるのを見て、琴の顔は茹で上げたタコのように真っ赤になった。


「や、総士さん、あ、あっ……」


布の上からやわやわと胸を撫でられ、短い喘ぎ声が漏れてしまう。


「嫌?」


琴の短い言葉を拾い、総士が上目遣いに探る。
彼の身から匂い立つ男の色気に当てられ、琴は涙目で「うっ」と口ごもった。
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