今宵、エリート将校とかりそめの契りを
「俺が惚れたお前が欲しいと言うなら、この命惜しいとは思わない。なにを失っても怖くないから、琴の為ならなんでもしてやる。もう俺は琴以外のなにもいらない。……最初の約束、言葉を変えて誓い直す」


強く静かに響く揺るぎない誓いに、琴はドキッと胸を跳ね上がらせた。
反応を確認するように、総士が視線を下ろしてくる。


彼の視線を真っ向から受け、琴はギュッと胸元を握りしめた。
そして、小さくコクンと頷いてみせる。


「それは、私も同じです。総士さん」


芯のある声ではっきりと告げ、琴は総士に微笑みかけた。


「でも……私の為を思うなら、ずっとそばにいてください。おじさんになっても、おじいさんになっても。ずっと一緒に生きてください。私は総士さんのすべてが大事です」


琴の返しに、総士もクッと肩を揺らして笑う。


「そうだな。その気持ちは俺も同じだ。お前がおばさんになっても、おばあさんになっても。この髪も唇も……お前のすべてが俺のものだ」

「っ」


琴と言い回しはそう変わらないのに、総士の言葉は心を真正面から射貫いてくる。


「永遠に寄り添って生きよう。琴」


突如打ち鳴る鼓動を抑え切れず、琴は思わず総士の腕にしがみついた。
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