今宵、エリート将校とかりそめの契りを
「琴が無条件で信じ込むからには、心を許していた、それだけではない。戦地に赴いた兵士、もしくは軍の内部を知ることのできる人間からの情報だからだ」
頭の中で考えを纏めながら、唇の先で呟く総士に、忠臣も同意した。
「さようです。そしてその人間は、奥方様か総士様……どちらかになんらかの悪意を持っていると考えられます」
淡々とした口調で結論づける忠臣に、総士は無意識にゴクリと唾をのんだ。
努めて冷静にならずとも、その言葉が正しいことを、総士もわかっていた。
琴と近しい人間の中に、偽の情報をもたらした者がいる。
それが琴を知り尽くした人間ならば、彼女の行動も予期できただろう。
問題は、その人間の目的がなにかということだ。
総士が思うに、琴は騙され、利用されただけだ。
それならば、真の狙いは、彼女が刃を向けた自分か――。
「狙いは俺か? 軍部の人間が、俺を貶めようとしている?」
「……敵がいるのは確かですな」
淡々とした忠臣の相槌に、総士はゾクリと身震いをした。
(やはり、ここに留め置いて正解だった)
総士が兄を見殺しにしたと信じ切っている琴は、ただただ訝かしかった。
しかし、なにかきな臭さを感じて、総士は琴を側に置くと決めた。
彼の勘は間違っていなかったということだ。
頭の中で考えを纏めながら、唇の先で呟く総士に、忠臣も同意した。
「さようです。そしてその人間は、奥方様か総士様……どちらかになんらかの悪意を持っていると考えられます」
淡々とした口調で結論づける忠臣に、総士は無意識にゴクリと唾をのんだ。
努めて冷静にならずとも、その言葉が正しいことを、総士もわかっていた。
琴と近しい人間の中に、偽の情報をもたらした者がいる。
それが琴を知り尽くした人間ならば、彼女の行動も予期できただろう。
問題は、その人間の目的がなにかということだ。
総士が思うに、琴は騙され、利用されただけだ。
それならば、真の狙いは、彼女が刃を向けた自分か――。
「狙いは俺か? 軍部の人間が、俺を貶めようとしている?」
「……敵がいるのは確かですな」
淡々とした忠臣の相槌に、総士はゾクリと身震いをした。
(やはり、ここに留め置いて正解だった)
総士が兄を見殺しにしたと信じ切っている琴は、ただただ訝かしかった。
しかし、なにかきな臭さを感じて、総士は琴を側に置くと決めた。
彼の勘は間違っていなかったということだ。