今宵、エリート将校とかりそめの契りを
入浴を済ませて自室に戻ると、明かりを落とした寝室に、昨夜と違う夜着を纏った琴が佇んでいた。
ドア口に背を向けていて、総士の気配に気付きビクッと肩を震わせる。
「お、お帰りなさい」
そう言いながら振り返った琴の顔は強張っていて、月明りの中で青白く浮かび上がった。
総士は短く「ああ」と言うだけで、彼女の横を通り過ぎベッドに向かう。
総士の向かう方向を目で追っていた琴が、意を決したようにベッドサイドに進んできた。
先にベッドに入った総士を、彼女は黙って見下ろしている。
総士は小さくかぶりを振って、琴に向かって手を伸ばした。
「琴、これを」
「え?」
彼女に向かって突き出した手を、目の前で開いて見せる。
総士の手の平に乗っていたキャラメルを見て、琴は虚を衝かれたように瞬きをした。
「俺の上官からの結婚祝いだ。琴に、と」
「わ、私に……?」
琴は戸惑った様子で自分の口で反芻して、総士の手から小さなキャラメルを摘まみ上げた。
それを見て、総士は掛布団を上げ、隣に琴を誘う。
琴は指先のキャラメルと総士を交互に見遣り、目を伏せてから隣に身体を滑らせた。
「今夜はなにもしない。それを食べて、ゆっくり眠れ」
「っ、え?」
それだけ言ってさっさとベッドに横たわる総士に、琴がさらに戸惑いを強めて聞き返す。
「朝食は無理するなと言い置いたが、昼も夜も食わないとなれば、身体に障る」
「あ……」
琴が短く声をあげるのを聞きながら、総士はそっと目を閉じた。
ドア口に背を向けていて、総士の気配に気付きビクッと肩を震わせる。
「お、お帰りなさい」
そう言いながら振り返った琴の顔は強張っていて、月明りの中で青白く浮かび上がった。
総士は短く「ああ」と言うだけで、彼女の横を通り過ぎベッドに向かう。
総士の向かう方向を目で追っていた琴が、意を決したようにベッドサイドに進んできた。
先にベッドに入った総士を、彼女は黙って見下ろしている。
総士は小さくかぶりを振って、琴に向かって手を伸ばした。
「琴、これを」
「え?」
彼女に向かって突き出した手を、目の前で開いて見せる。
総士の手の平に乗っていたキャラメルを見て、琴は虚を衝かれたように瞬きをした。
「俺の上官からの結婚祝いだ。琴に、と」
「わ、私に……?」
琴は戸惑った様子で自分の口で反芻して、総士の手から小さなキャラメルを摘まみ上げた。
それを見て、総士は掛布団を上げ、隣に琴を誘う。
琴は指先のキャラメルと総士を交互に見遣り、目を伏せてから隣に身体を滑らせた。
「今夜はなにもしない。それを食べて、ゆっくり眠れ」
「っ、え?」
それだけ言ってさっさとベッドに横たわる総士に、琴がさらに戸惑いを強めて聞き返す。
「朝食は無理するなと言い置いたが、昼も夜も食わないとなれば、身体に障る」
「あ……」
琴が短く声をあげるのを聞きながら、総士はそっと目を閉じた。