共同生活
「良いなぁ...こんな家に住めるようになりたいな...」


俺は、思わずそう呟いていた。


「今はどの辺りに住んでるんですか?」


「群馬なんです、今度の春からこの近くの大学に通うんで、部屋探ししてる途中なんですよ。」


俺がそう言うと、手当を終えた彼女は顔を上げて、先程と同じように何かを閃いたようなキラキラした目で


「じゃあ、ウチに住んだら良いじゃないですか?」


と言った。


「いや...でも...」


「大丈夫ですよ、部屋も空いてますし」


「いや、そうじゃなくてお金が...」


さっきの狭い部屋で予算オーバーだったんだ、いくらいっぱいある部屋の内の一つとはいえ、こんな立派な部屋だといくら取られるかわかったもんじゃない!


「月いくらまでなら出せますか?」


「へっ?う〜ん...正直5万くらいしか......」


「じゃあ、それで良いです。」
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