共同生活

長時間立ちっぱなしで立ち読みなんかしてたせいで足が疲れた。出来れば部屋でのんびりしてたいのだが...。


「ほら、早く行くわよ！」


そう言って奈々さんは有無を言わさず俺の腕を掴んで家を出る。その間俺に出来た事は文房具類の入った袋を家の中に投げる事くらいだった...。


敷地内には二台車があった。一台は奈々さんが乗った赤い車、もう一台はおそらく光次の物であろう黒い車だった。


「あれ？奈々さんクルマ運転出来るんですか？」


助手席に乗り込みながら俺はそう聞いてみた。


「出来るわよ〜じゃなきゃ車持ってたって意味無いじゃない。」


「いや、そうじゃなくて...酒は抜けたんですか？」


「元々酔っ払う程飲んでないもん、夜の内に抜けちゃったわよ。」


「えっ！じゃあ今朝は素面だったんですか！？素面でいきなりあんな事を！？」