お見合い相手は無礼で性悪?



あの人なんで、初対面の私にあんな事・・・

私、なにかしたかな?

巡らせる想いに終点など無く
不可解、意味不明・・・失礼千万

トレーナーと二人きりの車内はクラシックの音楽だけが流れているだけで
気を使ってくれているのか話し掛けてこないのが心地良い


『あの人なんなんだろうね?』


溢した声に反応したトレーナーは
サラサラの髪をかきあげながら


『ほら、あれですよ。愛華さんがあんまり可愛いもんだからヤキモチ妬いたんじゃないのかな?』


ハハハといつものように笑う


『子供の頃に会ってるらしいんだけど
記憶なんてないから、初対面も同然なのよ?
そんな人がヤキモチって妬くかなぁ?』


『ほら、一目惚れってこともあるでしょ、ま、どっちにしても愛華さんが可愛いってことが罪なんじゃないかなぁ』


まるで子供をあしらうように
話をすり替えてしまう

トレーナーはいつもそう
可愛い、可愛いと口癖のように私の事を褒める

最初は言われる度に『からかわないで下さい』って頬を膨らませていたけれど

大学を卒業して2年余
このやり取りも馴れてしまったようで


高速を抜ける頃には
全く違う話で大笑いしていた

疑念が払拭された訳ではないけれど

トレーナーのお陰で落ち込むこともなく
嫌な気分が消えかけていた


そう、ショップでまたあいつと再会するまでは




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