年の差恋愛*透明な心に彩を付けて*
するとそれに気付いた松田が慌てて彩葉に駆けよろうとする。
しかしそれより先に透が荷物と彩葉をやんやりと男から引き離し、後ろにやる。
「お気遣い、ありがとうございます。重い荷物は私が運びますのでご心配には及びません。」
口調は丁寧だが、凄まじい怒りを満ちた目に男は逃げ出す。
そんな透に驚きつつも、松田はホッと胸をなで下ろす。
彩葉は気が抜けたのかその場に座り込む。
透はゆっくり振り向き、冷めた目線で彩葉に声をかけた。
「抵抗しなければ、相手の思う壺だ。それとも触って欲しかったのか?」