俺を好きにならないで
しばらく無言のまま手を繋いで歩く。


会話をしていないのにすごく居心地がいい。


それはやっぱり隣にいるのが湊だからだろうか?


でも繋いでる手から私の気持ちが伝わらないだろうか?


そう考えるだけで胸の高鳴りは落ち着きそうにもなかった。


でもそんな静寂を破ったのは湊だった。



「……そう言えばさ」


「なに?」


「もう1月が終わるね」


「……うん」


「返事だけど」



ふと足が止まる。


その返事は私を信じられるようになったかの返事という意味だろうか?


こうやって手を繋いでその話題を出すということはすくなくとも可能性はあるってこと?


両思いになれる可能性が。



「聞きたい」



言いたいこと、聞きたいことは沢山あるのに私の口から出たのはそんな言葉だった。
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