ワンコ系Drの熱烈アプローチ


そんな慌ただしいやり取りを繰り広げていると、医院の入り口が開き、「おはようございます」と来院した患者さんの声がした。

「おはようございます」と、二人揃って挨拶をする。

来院したのは、先週の土曜の午後に来院した、 幼稚園生の男の子とそのお母さんだった。

確か、今朝の予約は入っていなかったはずだけど……。


「すみません、予約していないんですけど、大丈夫ですか?」

「はい、大丈夫です」

「鮎川先生、優斗、土曜日に抜かなかった歯がやっぱりぐらついて気になるみたいで、幼稚園行かないって朝から騒いで」


お母さんに連れられてきた優斗くんは、横で揺れる歯を気にして触っている。

鮎川先生はカウンター越しに優斗くんの顔を覗くと、いつも通りの笑みを浮かべた。

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