ワンコ系Drの熱烈アプローチ


「優斗くん、やっぱり頑張って抜いちゃおうか」

「えー、痛いんでしょ?」

「あれだけグラグラしてたら、一瞬で抜けちゃうから大丈夫」

「ほんと?」

「ほんとほんと。絶対痛くないから」


渋々頷いた優斗くんに、鮎川先生は「よし」と微笑む。

お母さんに向けて「時間前ですが、登園の時間もあるでしょうし、先に診ますよ」と声を掛けた。


「ユニット、開けてくれる? 先に診ちゃうから」

「あっ、はい、わかりました」


さっきまでのプライベートな空気を一切消し去り、仕事の指示を出してくる鮎川先生。

一番手前のユニットをオンにして準備をしていると、グローブを手にした先生が内緒話でもするように私の耳元に近付いた。

< 120 / 121 >

この作品をシェア

pagetop