無慈悲な部長に甘く求愛されてます

 あっけにとられたように私を見下ろしていた冴島部長が、急に笑いだす。

「な、なんで笑うんですか!」

 小刻みに揺れる肩にかっとして叫ぶと、彼はくすくすと笑いながら私の髪をなでた。

「沸点、ちゃんとあるんだなと思って」

「ば、ばかにしてるんですか!」

 振り上げた腕は、大きな手に簡単に受け止められてしまう。

 真正面から私を見下ろして、冴島さんは優しく笑った。

「いや、すごくかわいい」

 会社では見せないはずの穏やかな表情に、不覚にもきゅんとしてしまう。

 本当にずるい。

 何も言えないまま目を逸らすと、不意にあごを持ち上げられた。

「えっ」と声を出す間もなく唇が重なって、その柔らかさに心臓が大きく跳ねる。

「さ……」


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