無慈悲な部長に甘く求愛されてます

「……笑わないで」

 切れ長の目が、ほんのすこし驚いたように揺れた。


 あさましい、と自分で思う。

 鬼上司のイメージが変わっていくといい――

 昼間は確かにそう思っていたはずなのに。

 やっぱり……

「外では、笑った顔を見せないで」

 身勝手な嫉妬心で、私は冴島さんを縛り付けようとしてる。

 わかっているのに、抑えられなかった。

「賢人さんの笑顔は、私だけにください」

 頬に触れていた手をつかまれた。

 そのまま体重をかけられて、私は絨毯に押し倒される。

「君は、どこまで俺を壊すつもりだ?」

 冴島さんの濡れた目に見下ろされて、心臓が鳴った。

 吐息に耳をくすぐられて肩を縮める。体のあちこちに吸いつかれて、キスの痕がちらばっていく。

「全部、和花が悪い」

 噛み付くように唇を奪われて、意識が朦朧とした。

 それからはもう、冴島さんにされるがまま。

 服を脱がされ、強く抱きしめられ、もどかしいように体を合わせながら、彼は私に囁く。

 焦れたように。
 
 何度も、何度も。

「ああもう、本当に君は……」





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