好きって言えよ、バカ。
顔を上げた瞬間、ダンっと壁につかれた雅さんの手によって、逃げ道を塞がれる。
触れてしまいそうで触れないその距離に、胸の鼓動が一層早まる。
ドキドキどころじゃない、バクバクだ。
「頑張ったご褒美に、明日俺とデートね?行きたいところ、考えといて」
「……っ」
そう言い残して、雅さんはリビングへと行ってしまった。
な、何……今の。
上から見下ろす雅さんは、とても色っぽくて、大人を感じさせられた。
「……って、デート!?」
そうだ、私。
雅さんにデートに誘われたんだ。
ちょうど今日の帰り道に考えていたデート。
いつかしてみたいな、なんて思っていたのが明日……!?
う、嘘でしょう!?
頭の中がパニックで、自室に入ってバタンと閉めたドアに寄りかかりながら、スルスルとへたりこんだ。