好きって言えよ、バカ。




「ね、ねぇ!ひ、瞳っ……」



『もしもし?どうしたの、絃』



そのまま動けず、私は瞳に電話をかけた。



「ねぇ、どうしよう。雅さんにデートに誘われた……」



『ん?デート?今、私彼氏とデート中……って!!雅さんにデートに誘われたって!?』



「う、うん。その……デート中にごめんね?あの、ごめん。切るね?」



そうだ、今日は瞳、彼氏とデートって言ってたのに忘れてた。



そんな幸せなデート中に、私のどうでもいい電話なんて入れてしまって、申し訳ない。



『何言ってんの!絃の一大事でしょ!?私のことは気にしなくていいから、ちょっと話聞かせなさいよっ』



ちょっとごめんね、なんて声が電話の奥で聞こえて、瞳が彼氏に断りを入れたのが伝わる。



それと同時に、ニヤニヤと楽しそうな瞳の声色がうかがえて何とも複雑な気持ちだ。



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