恩返しは溺甘同居で!?~ハプニングにご注意を!!
 
 私の唇から修平さんが離れた時、私の体は完全に力が入らなくなっていて、彼の胸にくったりと寄りかかることになってしまった。
 そんな私の体を両腕に抱いた修平さんが、私の頭の上で「は~~っ」と息をついた。

 「杏奈に嫌われたら俺、立ち直れないかも……」

 少し凹んだ声でそんなことを呟く。
 
 「嫌いになんて、ならないよ…。」

 「本当?」

 またしても子犬みたいになった彼の黒目がちな瞳に見つめられて、胸がキュンとなる。

 「私、恋愛初心者だから、色々とよく分からなくてパニックになっちゃうけど、でも修平さんにされて嫌だったことなんて、ないよ?」

 そこまで言うと、私の顔を覗き込んでいる彼の目が大きく開いた。

 「杏奈…あんまり可愛すぎること言わないで…」

 「え?」

 「そんなこと言われたら、今すぐ杏奈のことを食べたくなるから。」

 「ええっ!!」

 目の前の瞳の奥に、またしても妖しい煌めきを見付けて、焦ってしまう。私の背中に回った彼の腕が心なしか強くなった気がする。

 や、やばい!

 身の危険を感じて慌てた私の口から、咄嗟に言葉が飛び出した。

 「あのっ、修平さん!渡したいものがあるんだった!!」

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