恩返しは溺甘同居で!?~ハプニングにご注意を!!

 力の入らない足を何とか奮い立たせて、至る所に手を添えながらなんとか入浴を終わらせて、バスルームから出る時には、最初よりはましに歩けるようにはなっていた。

 バスローブを纏って、廊下を通って、自分の部屋に行って着替えをする。

 そう言えば、私の着ていた服は、どこだっけ…

 と疑問が湧いて、その答えが浮かんだ時、めちゃくちゃ焦った。

 修平さんの部屋に脱ぎっぱなし!?

 すぐに回収しなければ、と焦りながら服を着て、慌ててリビングへ向かった。
 

 リビングの扉を開けると、甘い匂いが鼻をかすめる。
 その匂いををスンスンと嗅いでみると、キッチンの方から声がした。
 
 「もう上がったの?ちょうど良かった、今ホットケーキが出来たとこだから、食べようか。」

 「ホットケーキ!?」

 「うん。もしかして嫌いだった?」

 「ううん、大好き!!」

 飛びつくようにダイニングテーブルに行くと、そこには焼き立てのホットケーキが湯気を立てていた。

 「美味しそうっ!」

 「冷めないうちに食べようか。」

 両手にコーヒーカップを持った修平さんに促されて、テーブルに着いた。


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