溺れて染まるは彼の色~御曹司とお見合い恋愛~
「三藤さん、ショールームには何時に出るの?」
「あっ、そうでした!」
内線を聞いていた様子の先輩に言われて、ハッとする。
今日は自社のショールームに出向いて現場の声を聞き、お客様のアンケートを回収して、施設の景観等が保たれているかチェックする、大切な業務が入っていた。
Stationiaのショールームは、オフィス用家具だけではなく、目的と用途に応じたあらゆる製品が展示されていて、とても大きい。
出かけたら、直帰になりそうだなぁ。
「新作のテスト品の納入だけお願いするから、終わったらショールームに出かけて」
「はい、ありがとうございます」
「最新文具は、ちゃんと三藤さん用に取っておくから」
同僚は皆さんいい人ばかりだ。
だからこそ、この前の花火大会だって楽しみにしていたし……。