溺れて染まるは彼の色~御曹司とお見合い恋愛~

 予定された十五時に、会議室へ入った。
 いつもは温厚な部長も引き締まった表情で隣に座っているから、良くない話をされるんだろうと覚悟する。

 重苦しい空気はどんどん私を押しつぶす。
 そして、専務までやってきて、絶体絶命の気分になった。


「それでは、お話させていただきますがよろしいでしょうか」

 人事部長が確認すると、専務が小さく頷いた。
 どうして専務が私を呼びだしたのかと考えれば考えるほど、花火大会の日が思い出される。

 八神グループに接待を受けていたあのおじさんが、私の身元を追跡したのだろうか。
 それとも、八神さんが私に憤りを感じているのかもしれない。

 どちらにしても、最悪の展開だ。

 地道に総務部で働いてきただけなのに、こんなことになるなんて。 



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