溺れて染まるは彼の色~御曹司とお見合い恋愛~
「三藤さん、親展の社内便が届いてるよ」
「ありがとうございます」
社内メール便当番の同僚から受け取った封筒には、親展の判が押されていて、厳重に封がされている。
送付元が人事部となっているのを見て、おそらくお見合い関連のものだろうと分かった。
さすがにデスクで広げるわけにはいかず、封筒ごと袖机にしまって隠す。なにかの拍子で誰かに見られでもしたら、一大事だ。
『この縁談は、誰にも口外しないように。親御さんにも、結婚の意思が決まってから報告してください』と、人事部長から口を酸っぱくして言われているし……。
あぁ、やっぱり気が重い。
私が話を蹴ったとしても、他の女性社員が選ばれたのかもしれないと今さらながら思うと、返事を撤回したくもなった。