溺れて染まるは彼の色~御曹司とお見合い恋愛~

「三藤さんは、日頃どのようなお仕事をされているんですか?」
「普段は総務部にて勤務しております。微力ながら、社の歴史を絶やさぬよう尽力しておりまして……」

 慣れない場では、いつも以上に会話がぎこちなくなる。
 八神グループの会長と社長までいると緊張せずにいられるはずもなく、つい俯きがちになりながら、彼の質問に答えた。


「や、八神さんは……いつもお忙しくされていますよね。あ、あのっ、先にいただいた釣書だけで、想像がつくほどだったもので」
「三藤さんはお優しいんですね。私のことを気にかけてくださっていたんですか?」
「えっと、あの……」

 しどろもどろになっていると、専務から顔を上げて話すように注意されてしまった。


「す、すみません……失礼しました」

 だけど、ひと目ぼれした彼が真正面にいてドキドキしてしまう。
 勝手に赤く色づいていく顔の熱さを自覚し、またしても目を伏せてしまった。


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