溺れて染まるは彼の色~御曹司とお見合い恋愛~

 今日は、文句のひとつでも言ってやるって決めていたのに……やっぱり彼を前にしたら挫かれる。
 最低で最悪な彼に、心は正直すぎるくらいにきゅんとしてしまって。


「とてもかわいらしいお嬢さんだ。そう思うだろう、隆介」
「そうですね。控えめで素朴で……一誠にはぴったりのお方だ」

 それに、男性に不慣れな様子が良いように受け取られてしまい、当人同士の意思はさておき、彼の祖父と父には気に入られてしまったようだ。


「一誠、そろそろ二人で話してみたらどうだ?」
「ええ、ぜひ」

 祖父に同調した彼は、Stationiaの会長と専務とも丁寧に接し、数分話したのち腰を上げた。


「せっかくですので、皆様はどうぞお食事をお楽しみください。階下のレストランを予約してございます」

 彼の計らいに喜んだStationiaの会長と専務は、私たちを笑顔で見送った。


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