クリスマスは赤い誘惑
「佐野くんずるい……っ」
「なにが?」
「そうやっていつも余裕で……ここずっと一緒に寝てくれなかったのだって」

いつもいつも私のこと好きに振り回して。

「もう、飽きられたのかもとか、めんどくさくなったのかとか、考えたんだから……」

こんなこと言っても余計にうっとうしいだけなんだろうって分かってるけど。
少しいじけるような気持ちになり、佐野くんに背を向けるようにごろりと体勢を変える。するとすぐにベッドがぎしりと軋むのと同時に影に覆われた。

「佐野くん……?」

両腕の中に閉じ込めるように佐野くんが頭の横に両手をついた。その表情は珍しいほどに真面目だった。

「飽きるわけないだろ。これから先も手放すつもりなんかない」
「……!」
「抱かない期間を作ったのは菜々子がどんな風に誘ってくるか見たかったから。まさかこんなエロい下着で誘惑してくるとは思わなかったけど」

にやりと笑う佐野くんがキャミソールの胸元に指を引っ掛けて下げるように引っ張る。

「だって、男の人はこういう下着で迫ればいいって……」
「迫ればいいって?何、これ誰かのアドバイスだったわけ?」

しまった。つい恥ずかしくなって余計なことまで言ってしまった。
佐野くんが追及する顔になっている。
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