浅葱色の魁
俺が生きているから
徳川の世が終わらないのかな…



そんな風に考えるようになった



仕事を与えられる機会は、少なく

町をぶらつくばかり



「きゃあ!!離して!!誰か!助けて!!」




京の治安は、悪く
不逞浪士や酔っぱらいが
町娘や遊女らに暴行を働いていた


そして、平助はこうした場に出会すと


どうしても娘らが自分と重なり
感情を抑えられなくなり


意識がなくなるほど浪士をボコボコにした


「ありがとうございました」



女達には感謝されたが





「平助!何度言えばわかる!?
手を出すなって言ってんだろうが!!」


「喧嘩っぱやいのは知っていますが
今は、浪士組の組長なんだから
少し慎みなさい」


土方と山南からは、やり過ぎなのと
ただの喧嘩だと注意された


「嫌だ
俺が守りたい人は、将軍じゃない
目の前で助けを求める人だ」


「平助… 君は、人助けの為に
人に必要以上の怪我をさせている
手加減して欲しい
弱いものには、それなりの力で挑む
それだけでいい」


近藤は、論じたが

平助は、納得出来なかった



「弱い女を力づくで押さえ込んでる
アイツらは、良くて俺は、悪いのかよ!?」


「君の言うアイツらと君がやってることが
同じだと言っているんですよ」



どんなに言っても

平助は、浪士達と喧嘩を辞めなかった




近藤、土方、山南を悩ませたのは
平助の品行の悪さだけでなく

芹沢の酒癖の悪さもあった




「平助は正義感が強すぎるんだろうな
だが… 芹沢さんは、この現状への
憂さ晴らしに見える
今日も暴れたらしいじゃねえか」


「うむ、どうしたものか…」



「平助君は、僕が根気よく話をします
僕は、彼が道を誤らないように
道しるべになると約束してますから」













< 42 / 283 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop