浅葱色の魁
「平助君は、どうせ一番乗りするんでしょ
僕は、真っ先に2階に行くよ」


「うん 俺は、奥から庭に回る
俺の刀は、狭い店の中じゃ振りにくい」


「凄いよね…
僕より小さな君が、長い刀を振ってる
気になってたんだけどさ
良い刀だよね」


「藤堂家の落胤なので!」


「ふふっ 威張るとこ?」


「藤堂家には、感謝してる
例え、落胤でも…
俺にこんな立派な刀を持たせてくれたんだ」


「いつも、落胤っていうけど…
その立派な刀は、平助君への
気持ちがたくさんこもってるよ!
ちゃんと、藤堂家の一員なんでしょ!?
訳あって、素性は言えないだけ…どう?」


「どう?って、なんだよ ククッ」


「僕も、考えてみることにしたんだ
僕、強いから応戦一方が主だったから
敵が、どう考えて攻めてくるのか
一緒にいる仲間が、何を悩んでいるのか
平助君がどうして、攘夷派なのか」



「総司なら…
たどりつきそうだな」


「本当!? 
合ってたら、ちゃんと言ってよ?ね?ね?」


「おう」















池田屋 四国屋


どちらにも、会津からの応援はこなかった







「もう、待てねぇ… 近藤さん!」


「うむ 四国屋から、歳が来るまで
持ち堪えろ! いいか?
皆 死んではならん! 良いな!?」


「「「「はい!」」」」



返事をしなかった平助へ
近藤が視線を送る


にこにこしながら、池田屋を見ていた



「平助」


「あ、ごめん!ちょっと考えごとしてた!」


「にやけてんじゃねぇ!!」


「ごめん!ごめん!」


永倉に怒られ、平謝り







〝ここで、死のう…

新選組として、全力を尽くし


仲間の為に… この命を〟







店の中に入って行った人数は、多く

雰囲気で、なかなかの剣豪揃いだとわかる





「平助君」


「おう」





沖田と目を合わせ、近藤の後ろを歩く















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