そのなみだに、ふれさせて。
もっとはやく、ちーくんの気持ちに向き合ってあげられていたら。
そんな風に思うけど、それでもきっと、わたしの答えは変わらなかった。
「……ありがとう、ちーくん」
「宮原先輩は、好きにしろって言ってたけど。
俺は早々に瑠璃争奪戦からは棄権させてもらうことにするよ」
「もー、ちょっとばかにしてるでしょ」
わたしもずっと、だいすきだった。
ともだちで、親友で、お兄ちゃんみたいなちーくんのこと。だいすきだったよ。
「してないよ。
……ちゃんと、大事な人に幸せにしてもらって」
思えばちーくんはいつでもわたしに寄り添ってくれていて、"してもらって"なんて他人任せなことは言わなかった。
本当に大事にしてくれてたんだよね。
「瑠璃!」
「え、紫逢先輩? なんでここにいるんですか?」
「だって瑠璃のこと狙ってる男がいっぱいいるから。
誰よりはやくかわいい彼女の隣を死守しないとと思って」
「っ……」
だからって、わざわざ学校からわたしを迎えにきてくれなくたって大丈夫なのに。
……ああ、そっか。
これも紫逢先輩がわたしを好きだから、してくれることなんだもんね。
そんな風に思っていなかったら、わたしたちはただ、生徒会という曖昧なつながりしか、なかったんだよね。
「お先です。あとはおふたりでどうぞ」