極悪プリンスの恋愛事情


だいたい岸本くんはいい人すぎるんだよ。


自分では否定してたけど、私からしたら超がつくほどのお人好しだと思う。

私みたいなぼっちはほっとけばいいのに、気を使ってくれるから変に付け上がってしまう。


「……ちゃんと断りに行こう」


このまま知らないふりをするんじゃなくて、岸本くんにごめんねとありがとうをちゃんと伝えたい。

最低なわがまま女だって思われるかもしれないけど、それでも言わなきゃ。


どこにいるかわからないなら校内中を探したっていい。

走り回る元気くらいはまだあるもん。



足に力を入れ直して重たくなった腰を上げた。


そして───廊下へ飛び出そうとした私の体は、ちょうど目の前に立っていた相手を思い切り突き飛ばしてしまった。


「うわぁ!?」

「きゃっ!!」


ドンッと鈍い音が誰もいない廊下に響き渡る。


突っ込んでしまった私も体が吹き飛び尻餅をついていた。


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