極悪プリンスの恋愛事情


「痛てて………」


まさか校内に残っている人がいたなんて驚いた。

みんな後夜祭に行ってるから誰もいないと思ってたのに。


腰に走る痛みを感じながら顔を上げると、ドアの向こうに倒れている人の姿を見て、また驚いてしまった。


「岸本くん!?」

「ちょ、花野井ちゃん急に飛び出して来ないでよ。びっくりしたなぁ」

「ご、ごめんなさい……!」


急いで駆け寄って手を差し出すと、笑いながら掴んでくれた。


「後夜祭始まるから迎えに来たよ」


あ………。


岸本くんの姿を真っ直ぐ見れなかった。

「迎えに来たよ」だなんて、そんな笑顔で言わないでよ。


優しいことされたら何も言えなくなっちゃうよ………。


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