お見合い結婚狂騒曲
あれっ、そう言えば、会場はどこなのだろう。遠くだから早めに出発するのだろうか……などと考えていたが、それは全く違った。
「圭介君、これはなんの真似ですか!」
迎えに来たと思ったら、まず、エステサロンに連れられ、次に美容院に連れられ、そして今、豪華な着物を着せられ、会場となる葛城邸に向かっている。
「祖母が僕の花嫁となる者に遺した着物だ。今朝、祖父から託された。君に着て欲しいと言ってな」
ーーもう、言葉もない。これこそ本当に、外堀を埋めるだ。
「圭介君は良いのですか? これで……私で……」
「どう言う意味だ?」
「だって、最初嫌いだったでしょう、私の事」
「まだ根に持っているのか」と葛城圭介が笑う。
「おそらく、僕たちの印象はお互いに最悪だった。だろう?」
彼も分かっていたんだ、私が彼を苦手としていたことに。
「マイナスからの二人だ。これ以上悪くなることはない」
まぁ、それはそうだが……。
「現に僕はこのところ、君の良い面ばかりを見せてもらっている」
「圭介君、これはなんの真似ですか!」
迎えに来たと思ったら、まず、エステサロンに連れられ、次に美容院に連れられ、そして今、豪華な着物を着せられ、会場となる葛城邸に向かっている。
「祖母が僕の花嫁となる者に遺した着物だ。今朝、祖父から託された。君に着て欲しいと言ってな」
ーーもう、言葉もない。これこそ本当に、外堀を埋めるだ。
「圭介君は良いのですか? これで……私で……」
「どう言う意味だ?」
「だって、最初嫌いだったでしょう、私の事」
「まだ根に持っているのか」と葛城圭介が笑う。
「おそらく、僕たちの印象はお互いに最悪だった。だろう?」
彼も分かっていたんだ、私が彼を苦手としていたことに。
「マイナスからの二人だ。これ以上悪くなることはない」
まぁ、それはそうだが……。
「現に僕はこのところ、君の良い面ばかりを見せてもらっている」