お見合い結婚狂騒曲
「真央ちゃん、今日は急にすまなかったね。恵方巻き、本当に美味しかったよ」

桜子さんの腕から、今度はお祖父さんの腕に抱かれる。
途端に会場がザワザワと騒めき出す。

「それに、着物を着てくれたんだね。とても似合っている。桜もきっと喜んでいるだろう」

お祖父様は腕を解くと、私を見つめ優しげな笑みを浮かべた。それに乗じ、さらに辺りの騒めきが大きくなる。

「ご覧になった? あの葛城圭吾が笑ったわ」
「あのお嬢さんは誰かしら?」
「ほら、例の……」
「ああ、正式なフィアンセ……」

聞こえてくるのは私たちのことだった。
かなり注目されている……みたいだ。

「圭介、真央ちゃんと壇上へ」

お祖父さんが先頭を切りステージの方に向かう。
ーーいよいよだ。
きっとこれから、私を葛城圭介のフィアンセとして紹介するのだろう。

「緊張している?」

当然だ。

「大丈夫だよ、僕がいる。何があっても君を守る」

確かに。彼は瑠璃嬢の時も助けてくれた。
コクンと頷くと葛城圭介は私の手を引き、お祖父様の後に続く。
その時だ、突然、多くのゲストの中から「圭介」と呼ぶ声が聞こえた。
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