お見合い結婚狂騒曲
「王月堂のデザートバイキング」
予約を入れないと、なかなか入れない人気店だ。
「で、公香は勿論、デートできるにかけたんでしょうね」
「当然!」
「だったら、賭けに勝ったら、私も連れて行くのよ!」
フン、これぐらいの甘い汁、私も飲ませてもらわなきゃ割りが合わない。
その週末、ようやく葛城圭介からデートのお誘いメールが入る。
『明日、十一時。準備をして待て』
どうやら賭けは公香の勝ちのようだ。デザートバイキング、ムフフと顔が綻ぶ。
しかし、相変わらず素っ気ないメールだ。画面を繁々と見つめながら、更に笑いが込み上げる。
「さてと、何を着て行こう」
クローゼットを開け、洋服を物色する。
映画とショッピング、それ程、身構えなくてもいいか、と思いながらも一人ファッションショーは深夜まで続いた。
ーー私、何を浮かれているんだろう……。
ベッドに横になった時、初めてそんな思いが湧き上がり、苦笑いを浮かべつつ眠りについた。
翌日は冬晴れだが、身震いするほど寒い朝となった。
「お迎えは車だし、行き先は建物内部だし、この格好で大丈夫だよね」
昨夜決定した服を眺めながら、でも、とキャミソールを引き出しに片付け、「絶対、ベッドインなんてシチュエーションにはならないし」と、代わりにヒートテックの長袖インナーを出す。
やっぱり、冬はコレ、手放せないよね、と着替えを始める。
予約を入れないと、なかなか入れない人気店だ。
「で、公香は勿論、デートできるにかけたんでしょうね」
「当然!」
「だったら、賭けに勝ったら、私も連れて行くのよ!」
フン、これぐらいの甘い汁、私も飲ませてもらわなきゃ割りが合わない。
その週末、ようやく葛城圭介からデートのお誘いメールが入る。
『明日、十一時。準備をして待て』
どうやら賭けは公香の勝ちのようだ。デザートバイキング、ムフフと顔が綻ぶ。
しかし、相変わらず素っ気ないメールだ。画面を繁々と見つめながら、更に笑いが込み上げる。
「さてと、何を着て行こう」
クローゼットを開け、洋服を物色する。
映画とショッピング、それ程、身構えなくてもいいか、と思いながらも一人ファッションショーは深夜まで続いた。
ーー私、何を浮かれているんだろう……。
ベッドに横になった時、初めてそんな思いが湧き上がり、苦笑いを浮かべつつ眠りについた。
翌日は冬晴れだが、身震いするほど寒い朝となった。
「お迎えは車だし、行き先は建物内部だし、この格好で大丈夫だよね」
昨夜決定した服を眺めながら、でも、とキャミソールを引き出しに片付け、「絶対、ベッドインなんてシチュエーションにはならないし」と、代わりにヒートテックの長袖インナーを出す。
やっぱり、冬はコレ、手放せないよね、と着替えを始める。