キミのビートにのせて。
…そりゃこんな近くならバレちまうよな。
「そうだよ、」と返事をしようと俺が口を動かしかけた時には、彼女は再び目を閉じていた。
あとは救急車の到着を…と考えていると、しばらく経った頃、事前に手配されていたのか、運良く現場へ現れた救急車から医者っぽい男の人が1人降りてきて、
「あなたは付き添いの方ですか?病院までついて行かれるなら乗ってください。」
と早口でまくし立てた。
俺は無意識に「はい」と返事をしていた。
そりゃあ、ここまで付き添っておいてあとは知りませんなんて、口が裂けても言えるわけねぇ。
…その前に、なんか放っておけねぇよな。
そうして俺は、この子と一緒に病院まで付き添うことにしたのだった。