【短編】遠距離サンタの贈り物
クリスマス当日。同僚は早番で上がる。当てつけるように笑顔で帰る。私は仕事を終えてトボトボ帰る。マンションの部屋に鍵を開けて入る。真っ暗な部屋。
どうせひとり。私は怯える。彼の隣に別のコが寄り添ってたらどうしよう、って……。もうこんな惨めなクリスマスは嫌。来年は違う誰かを探そうか……。
「探せる訳もないのに……」
私はため息をついた。すると、ドアホンが鳴った。
え、もしかして……。
「メリークリスマス!」
「めりーくりすます」
ドアを開けてみると外にいたのは、去年と同じ、彼の友人サンタ、そしてトナカイのコスプレをしたお子さんだった。
「あ……」
「すいません、またアイツに頼まれまして」
「おねえさん、うちくる?」
彼は“女ひとりのクリスマスがどれだけ惨めか”を真に受けて、友人に頼んだらしい。
「でも……」
小さな子供が私の手を握って不安そうに私を見上げるのを見て、泣く訳にもいかず断る訳にもいかず、私は返事をした。
「あ、うん。おねえさんも入れて」
お子さんが笑顔になる。小さくて可愛い笑顔にそれだけで癒された。