【短編】遠距離サンタの贈り物
それからその友人宅に行き、友人と奥さんとお子さんと乾杯をし、ご馳走をいただいた。お子さんと一緒に歌ったりゲームしたり、楽しい夜を過ごした。ホントのサンタさんが来るまで待つ!と頑張ってたお子さんも私の膝で眠ってしまった。
「この子、人見知りなのに。分かるのかしらね」
「え?」
奥さんはお子さんを抱き上げて隣室に寝かせにいった。
「本当は僕が札幌に行く筈でした」
「は……」
「あの転勤の話が出たとき、家内のお腹にはあの子がいまして」
初めての出産。札幌には知り合いも身寄りもなく家内が不安定になって困っていたところ、アイツが転勤を買って出たんです、だからあの子にも何か伝わったのかもしれません、と言った。
「すみません、僕達の勝手な理由で寂しい思いをさせてしまって」
お詫びのしようもなく、せめてもの償いに偽物サンタをさせていただきました、と彼の友人は頭を下げた。