星の降る夜、僕は君に嘘をつく。
「信じ…られませんよね?」

私はそう言って少し笑った。

「ううん、心春は本当のこと言ってるんだろ?
それに心春が信じがたいこというのもう慣れてるし。
そういう所も好きだから。」

聖也先輩の何気ない言葉なのに最後の“好き”の一言で私の心は大きく揺れる。

「すっ、好きって…」

私は先輩に聞こえるか聞こえないか、微妙なぐらいの声で呟く。

「ん?どうした?俺、心春のこと好きだよ。」

先輩は何気もなしに言う。

「先輩、それは後輩に対する好きでいいんですよね?」

「んー、それもあるけど。
恋愛感情としても好きだよ?」

さらりと涼しい顔で言う先輩。

私はそんな先輩とは対照的に私は口をぱくぱくして、自分でもわかるほど戸惑いを隠せなかった。

「うん、恋愛感情の方が大きいかも。」

何かを考えてた先輩は思い付いたように言う。
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