星の降る夜、僕は君に嘘をつく。
「なぁ、心春。付き合おうぜ?」

「はいっ。」

先輩がまだ少し赤い顔のまま言う。
私は先輩の言葉にYesと答えた。

でも改めて言うと少し恥ずかしい。

「心春、顔赤いよ?」

「聖也先輩も人のこと言えません。」

私は手で赤い頬を隠そうとする。

「あ、心春。
付き合うんだから先輩呼びは辞めようぜ?
あと敬語も禁止。

まず聖也って呼び捨てして。」

「せ、聖也…さん。」

流石に呼び捨ては出来なくてさん付け。

「まあ、合格。じゃあ、敬語も取って?」

楽しそうに笑いながら言う聖也先…さん。

「流石にムリっ!」

「出来てるじゃん。」

そう言って私を指差す。

「わかった、わかったからはずすけど他の人がいる時だけは…!」

私は先輩に手を合わせてお願いする。

「可愛いから許してあげる。
でも二人のときは敬語禁止ね?」

そんな私たちのやり取りを周りが微笑ましく思っていたなんて知らない。
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