星の降る夜、僕は君に嘘をつく。

「心春っ。」

カフェを出ると聖也さんは私に手を出す。
きっと手を握ろうとしてくれている。
私はその手に自分の手を重ねて握る。

「違うでしょう？こうっ。」

そう言って指を絡めて、世に言う恋人繋ぎをする。

「恥ずかしい…」

「いいじゃん、付き合ってるんだし。
色んな人に言いふらしたいぐらい俺は無茶苦茶幸せなんだよ？

あっでも、心春のシスコン兄貴には言えないかな。
言ったら殺されちゃいそう。」

楽しそうに笑いながら先輩は私の手をより強く握る。

「え、先輩。なんでうちの兄のこと？」

「あー、心春が倒れた時に、椿が“しゃあないから、あのシスコン兄貴に連絡するか”って言ってたから。

てか心春の兄貴がシスコンって面白すぎる。」