星の降る夜、僕は君に嘘をつく。
「そういやさ、さっき見たけど今日なんじゃないの?
藤嶋飛鳥のCDの発売日。」

聖也さんはCDショップの前に来ると思い出したように言葉を発する。

「そうですよ。
でも今は聖也さんと遊んでるので後でのお預けです。」

私はそう言って笑う。

「買ってきなよ。」

「いいですよ、今は。」

私は首を横に振って拒否する。

「じゃあ、俺のお願いも1つ聞いて。
それで買ってきてよ。」

「何ですか?」

私は聖也さんの言葉に首を傾げる。

「そのペンダント、してみてよ。」

「え、そんなことでいいんですか?」

私は思わず聞いてしまった。

「これが俺のお願い。そこ座ろ?」

聖也さんは近くにあるベンチを指差す。
私たちはそのベンチに並んで座り、私はさっきもらった袋を開けて、ペンダントをつける。

「すげー似合う。」
< 158 / 253 >

この作品をシェア

pagetop