星の降る夜、僕は君に嘘をつく。
「心春ちゃん、こ《プルルル…プルルル…》

櫻さんが曲が終わると同時に聞いてきたのに被せ、タイミングよく私の携帯が鳴る。

「あ、出ていい?」

私はそう聞き、櫻さんが頷くのを見て私は携帯を耳に当てる。

「もしもし。」

《あ、心春?》

私の呼び掛けに答えたのは大好きな声。

「あ、聖也さん。どうしたの?」

《いや、電話するほどのことでもないけど俺のカバンの中に白いハンカチが入ってるんだけど、心春の?》

私はそう言われて今日持っていったバッグの中を確認する。
けれどどこを見てもない。

「あ、私のだと思う。ごめんね。」

《いや、全然いいよ。今度渡す。》

私はバッグを足元に置いた。

「本当に電話じゃなくていいじゃん。」

私はそう言って笑う。

《だって心春の声が聞きたくて。》

「聖也さん…」

聖也さんの思わぬ発言に私の胸は高鳴る。

《ごめんごめん。じゃあね。
あ、メリークリスマス。》

「うん、メリークリスマス。」
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