星の降る夜、僕は君に嘘をつく。
私が桐島君と婚約すれば聖也さんは学校を辞めずに済む…

聖也さんと別れて同じ学校に通うか、聖也さんと別れず聖也さんが学校を辞めるか

「決めたわ。私、桐島君の所に行く。」

「懸命な判断、ありがとう。」

意外にも涙は出ないんだ。

「まあまずは聖也を振ってもらわないといけないね。」

「わかってる。今度の日曜、遊びに行くからその帰りに言う。」

――日曜のデート楽しみにしてたのに。

私は少し悲しくなった。

「俺は今度、婚約者がくる。
生まれたときから決められていた奴が。
俺はそれが嫌で親に言った。

そうしたら“そんな相手がいるなら相手が来る前に連れてきて一緒に暮らせ”って言うんだ。

本当は許可を取って出てきて欲しいけれどムリだろ?

だから置き手紙だけして抜けてきてくれないか?」

婚約…こんな14歳なのに現実味がわかない。

「わかった、そうすれば…聖也さんは大丈夫なのよね?」
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