星の降る夜、僕は君に嘘をつく。
「いってきます。」

「「いってらっしゃい。」」

私は碧兄と一緒に家を出て自転車に乗る。

けれど私の自転車のかごには手持ち用のトートバッグしか入っていない。
ボストンバッグは碧兄の自転車のかごの中。

「碧兄、大きい方持って
もらっちゃってごめんね。」

「いいの、心春は女の子なんだから。」

私が謝るとへらっと笑って返してくる。

何度も言うが碧兄は櫻さんに似て美男子というのが本当に似合うような人。

見た目もあってか碧兄は凄くモテる。

毎年、バレンタインは大変。
山積みにされたチョコを家族総動員で1週間かけて食べたのだ。

ポストにラヴ・レターが入っていることも。

誰か碧兄を惚れさせてくれる人が現れてほしいとつくづく思う。
< 41 / 253 >

この作品をシェア

pagetop