星の降る夜、僕は君に嘘をつく。
「じゃあ、私停めてくる。」

私は駐輪機のカード読み取りボードにICカードを近付け自転車を入れる。

私はもう一度碧兄の所に戻り、ボストンバッグを受けとる。

「じゃあ、行ってくる。」

「いってらっしゃい、
怪我には気を付けろよ。」

私が笑顔で言うと笑顔で返してくれる。
わかってるってと返し、私は駅のホームを目指した。

電車で30分ほどの駅で降りるのだが、凄く長い、長い30分だった。

こんなにも登校時間が長く感じるのは初めてのことだった。

早くついてって思うけれどつかないでって思う私もいる。

ただ言えることは学校の最寄り駅についたとき、腰を上げるのが億劫だったこと。
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