星の降る夜、僕は君に嘘をつく。
「ねえ、後ろの二人見て。
イヤホン一緒に使ってる。」

「可愛い、中学生カップルかな?」

前の女子高生の話が聞こえてくる。

「美男美女じゃん。羨ましい~」

「女の子髪の色、栗色だよ?」

そう、今日はあすりんにも会うし、ウィッグは使ってない。

「流石にその年齢で染めないでしょ。
染めるような雰囲気でもないし。
地毛だと思うよー
でも似合ってるからいいじゃん。」

どうやら差別的に見ないでくれる人みたい。

すると左耳で曲の終わりが聞こえた。


「ね、一馬。私らカップルと思われてる。」

「別によくね?思いきって付き合うとか?」

私がそう話しかけると笑いながら一馬が言う。

「絶対やだよ。
私は好きでもない人とは付き合わない。」
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