星の降る夜、僕は君に嘘をつく。
一馬の方が一足先に終わり、
1列に並ばされて1つ前に一馬がいた。

「ごめん。私、一馬とは付き合えない。」

「誰か好きなヤツがいんのか?」

私がその背中に言うと前を向いたまま、答えが返ってきた。

「いないよ。」

私は答えをハッキリと言う。

「じゃあ、俺にも余地があるわけだろ?
俺が心春を惚れさせてやる。
そうすれば付き合ってくれるだろ?」

「まあ、そういうことだね。」

私たちは同じ方向を見ながら会話を続ける。

「やってやるよ。」

「手を出してください。」

その言葉を発した後、一馬はあすりんのいる仕切り内に入っていった。

残された私は1つため息を溢した。
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