星の降る夜、僕は君に嘘をつく。
「今の椿先輩は私の憧れた、尊敬した先輩じゃない!」

《…》

「私の知ってる椿先輩はもっとイキイキしててはつらつとしてて!
周りを笑顔にさせる…そんな人!

だから尊敬した、憧れた…大好きだった!
でも今の先輩は違う!

何もかもをマイナスに捉えてて全てを諦めてるみたい!

そんなの椿先輩じゃない!
大好きだった先輩じゃない!
そんな先輩はキライ!」

私は敬語とか何もかもを忘れて私の思うことを叫んでいた。

「そんな先輩なんて知らない!
辞めたいなら辞めればいい!
前の先輩なら私は懸命に何をしてでも止めた!
先輩の教室にだって乗り込んでやる!
先輩の書いた退部届なんて何枚でも破る!

でも私の大好きだった先輩はいなくなってた!
だったらもう知らない!」
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