星の降る夜、僕は君に嘘をつく。
「先輩、家に遊びに来ませんか?」

《え?》

少しすっとんきょうな声を上げる先輩。

「私、先輩と同い年の兄がいるんです。
しかも今、5歳の双子の妹がいるんです。
すっごい可愛いんです。
だから私も辛いことがあるといつも癒してもらってるんです。」

《心春の妹かぁ…
さぞかし可愛いんだろうなぁ。
どうしよ、おじゃましちゃおっかな?》

「わかりました、
一応さく…母に聞いておきますね。」

少し明るくなった先輩の声を聞いて、
私は安心して電話を切った。

「櫻さーん。」

私が声をかけるとひょいと顔を出す。

「ん?何心春ちゃん?」

「今度、先輩を家に呼びたいんだけどいい?」

すると一瞬にして顔をキラキラさせる。

「男の先輩!?いくつ!?」

「残念、高2の女子キャプテン。
無茶苦茶、綺麗な人。私の憧れの人。」

そう言って笑ってみた。

「えー楽しみー。」

凄くうきうきしてたから、
あからさまにOKだ。
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