星の降る夜、僕は君に嘘をつく。
私は自分の最寄り駅の改札前に立っている。
今日は椿先輩が家に遊びに来る日。

がたん がたん がたん…

あ、この電車だ。
人がざあと波になって出てくる。
その中に私の知っている人影を見つける。

「おはよ、心春。」

部活の打ち上げ以外で初めて見る私服。
足下を見る高めのヒールを履いている。

「あ、先輩身長盛ってる。ズルい。」

私はヒールを指差して笑いながら言う。
先輩は何も言わず私の肩を抱く。

余計に身長差がわかるので私は頬をふくらます。

「お兄さんと妹が二人いるんだっけ?」

「そうですよー」

私は少し間延びした声で答える。

「どんな人?」

「えーと。」

私は碧兄を思い出して言葉を詰める。
私は心を決めて口を開く。

「妹の双子は今5歳で、
行動がそっくり何ですよ。

兄は…あぁーえっと。」

「ん?」

決心をしたはいいものの、
やはり言葉を発せられなくなる。
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